今日の「THEサンデー」(日本テレビ系列 朝8:00~)観られましたか?
刺青ボクサー川崎タツキの特集でした。
実は、先ほどまでタツキさんと電話でお話させていただいておりました。
タツキさんは、薬物依存症でありながら、プロボクサー。
荒れに荒れた少年時代をすごし、ヤクザの道に入り、背中には立派な入れ墨。
そして覚せい剤に手を染め、薬物依存症に。
何度も自殺未遂を繰り返したあげく、薬物依存症回復施設「沖縄ダルク」へ。
そしてボクシングと出会い、その後の活躍は多くの皆様の知るところです。
タツキさんとは、数年前、テレビ東京の番組、「東京マヨカラ」で共演させていただきました(動画参照)
私はマイナープロボクサーで、薬物依存症の治療に携わる人間。
タツキさんは、トッププロボクサー、薬物依存症という病を持った人間。
そういった設定で、吉本興業のハリガネロックさんの司会で行われる若者とのトーク番組でした。
今でも思い出すのは、控え室での会話。
二人きりになったとき、タツキさんが言いました。
「本当の回復は、ボクシングを辞めてからだと思います」と。
衝撃的でした。でも、やはり薬物依存症という病気はそうなんだなと再認識しました。
薬物依存症は、何年、何十年止め続けていたとしても、一回、たった一回使用しただけで、枯れた井戸に呼び水を入れるがごとく、すさまじい勢いで再燃してしまう病気です。
奥様の献身的な愛に支えられ、
多くの人の愛に支えられ、
そしてボクシングに支えられここまで来たタツキさん。
あんなに強くて、どんなに劣勢に立たされても「前へ、前へ」と下がらないタツキさん。
そんなタツキさんでも「薬物依存症」という巧妙にて不可解、そして強力な病の前には無力なのです。
ただ、先ほど電話で話をしていて思ったことがあります。
タツキさんには愛する家族がいる。
そしてタツキさんを世界一愛する家族がいる。
普通、依存症の場合、家族は別れること、離れること、手を放すことを指導されます。
それは、家族や周囲が本人の問題をしりぬぐいすることで、本人は自分の問題を自分の問題とすることができず、回復が妨げられるという考えからです。それらは共依存と呼ばれ、それは家族もダメな本人をお世話することで、ダメな自分の存在価値を高めることができ、本人も病気になることで、本来なら注目されない自分が注目される・・・などといった共に依存しあい関係で成り立つ関係です。
しかしながら、その先は、本人は薬物を使用し続けますし、家族もお世話することに疲れ果て倒れ、共だおれです。
よって、回復へのきっかけとして、家族が手を放すことが重要視されてきました。
しかしながら、タツキさんのケースはその逆です。
教科書には書いていないことをやってのけているのです。
奥様は絶対に、絶対に、絶対に、諦めませんでした。
周囲から反対されても、責められても、なじられても、絶対にタツキさんを見捨てませんでした。
結果は、
あの荒れ果てていた、自殺を何度もしたタツキさんが
今や多くの人に勇気と希望を伝える人に。
タツキさん。
1日の試合で負けてしまいました。
相手はこれまた私の大好きな新井恵一選手です。新井君もまたすばらしい男です。
ただ、お互い生き残りをかけた命がけの勝負です。
勝負には勝ち負けという白黒がはっきりつきます。
新井君も、先日音田君に敗れ、絶対に負けられない戦いでした。
タツキさんも絶対に負けられない戦いでした。
結果は、新井君のTKO勝ち。
タツキさんは、日本チャンピオンという頂を目指したレースに生き残ることはできませんでした・・・・
これが、勝負の世界です。
これがプロの世界です。
しかし、さきほどタツキさんと話していて、よかった・・・・と思いました。
タツキさんの次戦。
12月。
この試合を組んでくれた有沢会長。
誰よりも、タツキさんを大切に感じてくれている有沢会長。
タツキさんは、有沢会長に「親父」を見ていました。
プロの世界で20戦以上。
しかも、「前へ、前へ!」
下がることなど知らないあのスタイルで戦い抜いてきたタツキさん。
身体が五体満足などありえません。
もうボロボロのはずです。
とっくの前からボロボロです。
普通の人なら、朝布団から起きるのも辛い。歩くのも辛い。生きるのも辛い。
そんな体です。
それでも、自分を死の底から救ってくれたボクシングと、支えてくれた仲間と共に居続ける道を選んだタツキさん。
会長、そして親父への言葉を聞いて、私は、大丈夫だ・・・と思いました。
この人は、もう一人ではない。
仲間と共に、大きな力と共に生きている。
この生き方がある限り、薬物依存症こそ無くならないが、幸福な人生を送ることができるのではないか。
私はそう思いました。
私は、タツキさんと出会えて幸せです。
タツキさんが、戦う姿。大好きです。
それはグローブをつけていようが、つけていまいが変わりません。
あの日、がっちりと交わした握手のぬくもり。強さ。
今でも、生き続けています。